いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

ピアノを習う、その先は…

今日はセレモニーのお仕事がありました。
今回のお式では、故人さまのお孫さんがピアノ演奏をなさるということです。
お孫さんか…何歳くらいなのかしら?🤔
故人さまは70代半ばなので、おそらく小学校高学年〜高校生くらいと思われます。
担当者に どの場面で演奏していただくか訊ねると「出棺前、棺の蓋を閉じる時に」ということでした。
それ以外は、いつものように私が演奏します。



お式の前、お客さまを お迎えする演奏をしていると、演奏予定のお孫さんがピアノの所に お母さん同伴でやって来ました。
女の子かと思っていたけど…中学生の男の子だったのね👀
本番前の この時間に練習させてほしいというので、ピアノを弾いてもらいました。


あら〜😳 この子、上手だわ‼️
何と言っても素晴らしいのは、ピアノを弾く時の姿勢がキレイなこと。
身体の芯がしっかりしているので、余計なチカラが入らず、指の動きも とてもスムーズです。
たぶん優秀な指導者に恵まれたのでしょう😊



我家の娘も3歳の頃からピアノを習っていました。
他のお母さんから「あなたが音楽をしているのに、どうして自分で教えないの?」と、よく尋ねられましたが…😅自分の子どもを教えるのは、とても難しいのです。
それで当時、歌の伴奏をお願いしていた大学の先輩に頼んで娘を教えてもらいました。
もちろん自分の子どもを自ら教える音楽仲間はいましたが、私はそれができなかったのです。


その理由は…自分ができることは、自分の子どもも同じようにできると思い込み、どうしても感情的に当たってしまうからなのでした。
娘は自分と違う個性ですが、そう簡単に割り切れるものではありません。
「なんで こんな簡単なリズムが取れないの⁉️💢」となってしまうのです。


最も大変だったのがピアノの発表会。
娘が演奏する時は、自分が弾く時以上に緊張してしまうのです。
自分が弾く方が よっぽど楽だ…と思ったものでした。



娘は比較的よく弾けた方だと思います。
卒業式では全体合唱の伴奏を担当。
私が言わなくても練習するし、何よりピアノを弾くことを楽しんでいました。
そして将来は音楽の道に進みたいと言ったのです。


実は娘に言ったことはありませんが、彼女の親指はピアノを弾くのに向いていない《反り指》という形です。



この指の形はピアノを弾くのに向かないと、私の師匠は言っていました。
指の問題もそうですが、音楽では将来、充分な収入を得られるのが難しいので、娘には別の道へ進むようにさせたのです。
中学生になった時、時間的にもレッスンに通うのが難しくなったので、習いに行くのは辞めることにしました。


それからは好きなようにピアノを弾いていました。
私の持っている楽譜から何かを弾いていることもあったし、合唱の伴奏譜やゲーム音楽など、本当に気ままに楽しく弾いていたな〜。
我が子ながら結構上手でしたし、ピアノを諦めさせたのを後悔したことも💧


でも音楽は楽しくできるのが一番です。
それが仕事になったら、楽しめない部分が必ず出てくる。
ピアノを習っていたことが、彼女の心の財産になってくれればいいな…そう思っていました。


そんなある日、娘が突然「やっぱりピアノをやってて良かったな〜」と言ったのです。
その理由を訊くと…
娘は点滴のルートを取ったり、カテーテルを入れるのが得意なんだそう。
どうも その理由は、薬指や小指など、普通の人が動かしにくい指を自在に動かすことができるからのようです。
「ピアノを弾いていたから、5本の指が思うように動かせるんだよね」
へ〜…そうなんだ😳
ピアノを習っていたことの利点は、こんな所に現れていたのですね。びっくり。



話はセレモニーに戻って…


お式は終盤になり、お孫さんにピアノを演奏していただくシーンになりました。
いつも式中は邪魔にならないように音量を絞っていますが、せっかくの演奏なのでボリュームを上げて…お客さまに良く聴いていただけるようにします😊
演奏してくださったのは『世界に一つだけの花』で、ピアニストの小原孝さんによるアレンジバージョン。



世界に一つだけの花/SMAP 作詞作曲:槇原敬之 ピアノ演奏&arrange:小原孝 2022年4月3日 オーセントホテル小樽ロビーピアノ #スマホ一発録り #世界に一つだけの花 #SMAP #小樽


葬儀という場なので、後半は静かめに演奏して下さいました🍀


可愛がっていたお孫さんの、心のこもったピアノに送られて…故人さまはお幸せだったと思います✨


お式の後、今日の司会者さんと「お孫さんのピアノ、素晴らしかったね〜」とお話しました。
実はこの司会者さん、本当はピアノ教室の先生なのです(なのに何故ここではピアニストじゃなくて司会の仕事をしているのかが謎😅)。
聞くところによると、お孫さんは数々のピアノコンクールで賞を取られたことがあるのだそうでした。
将来は音楽の道に進まれるのだろうと思います。
お母さまが ずっと側に付き添っていらしたのが印象的でした。


今の時代は、ストリートピアノに象徴されるように、皆んながアーティストです。
その中で音楽を仕事にして生きていくのは、おそらく とても大変なこと。


これからの時代がどうなっていくのか、音楽がどんな風になっていくのかは誰にも分かりません。
でも…AIがいくら発展しても、人にしかできないことがあるはず。
音楽もそうであってほしいと思います。


今日も無事に お見送りできて感謝でした🙏