今日はセレモニーのお仕事がありました。

今回のリクエストは…

「ふるさと」／岡野貞一 作曲
「川の流れのように」／美空ひばり
その他 季節の童謡・唱歌

年齢の高い人の お式では定番のリクエストです。

会場に入り、打合せしている時に
「琵琶湖の歌ってありますか？」と担当者さんから訊かれました。
ん？琵琶湖の歌？🤔　そんなの あったっけ？
たぶん『琵琶湖周航の歌』ではないかと思われます。

「琵琶湖周航の歌ですか？」と言うと担当者さんはピンと来ない様子😅
それもそのはず、担当者さんはウチの娘と同じ位の30代です。
若い人は この曲を知らないんじゃないかしら？
そこで歌い出しの歌詞「我は海の子 さすらいの〜」を言うと、担当者さんはササッとスマホを取り出して調べ、
「そうです！ソレです！演奏できますか？」
あいにくリクエストのリストになかったので、楽譜を用意して来ませんでした。
何となくなら弾けますが、人前で演奏するとなると お守りとして楽譜が欲しいところ。
そう担当者さんに伝えると、スマホを手に事務所へ走って行きました。

『琵琶湖周航の歌』は三高(現在の京都大学)ボート部による学生歌です。
有名なのは加藤登紀子が歌ったバージョンですが、私の中では森繁久彌の歌という印象。
実はこの曲、私にとって母との思い出の曲なのです。

琵琶湖周航の歌１～６番

それは私が中学校の時のこと。
当時私は器楽部で、ピアノを担当していました。
ある時、顧問の先生から『琵琶湖周航の歌』の楽譜を渡され、練習してくるように言われたのです。
当時、私の中学校では秋の文化祭に合唱コンクールがありました。
コンクールの最後に先生方が皆んなで合唱する、その曲が『琵琶湖周航の歌』だったのです。

知らない曲だし、苦手な6／8拍子。
譜読みに苦労しながら練習していたら、それを聞いた母が
「琵琶湖周航の歌だね。何で弾いているの？」
今度の文化祭で先生方の伴奏をするんだと答えると、母はビックリし大喜びで、当日仕事を休んで聴きに来てくれました。

真面目で勉強家だった母は戦後、広く募集された代用教員になりたかったそうですが、祖父が「女子に勉学は要らない」と言って反対したので、その望みは叶いませんでした。
なので《先生》という人に憧れや羨みがあったようです。
その《先生》たちの伴奏を私がするというのが、母が喜んだ理由だったようで…後々になっても、ことあるごとに『琵琶湖周航の歌』の話をしていたっけ。

それにしても…音楽にあまり関心がなかった母が、なぜこの曲を知っていたのかしら？
向学心の塊だった母だから、旧帝大である京都大学に憧れを持っていたのかもしれません。

母は私が25歳の時、57歳で亡くなりました。
あまりにも早かったので、親孝行らしきことができなかったのですが…
『琵琶湖周航の歌』の伴奏をしたこと、母の夢だった教師になったことが、親孝行だったといえばそうなのかなぁ…

母が亡くなって34年になり、私は母の歳を超えました。
私が思い浮かべる母の面影は57歳のままで…何だか複雑な気分です。

そんな思い出の『琵琶湖周航の歌』

事務所から戻って来た担当者さんは、スマホの画面をプリントアウトした楽譜を持って来てくれました😳
(でもフリーの楽譜って記譜の間違いが多いんです😅)
ああ、こんな曲だったっけ…
読経の間に目で音符を追って譜読みし、棺へのお花入れ時に演奏しました。

故人さまは90代半ば。
母が今 生きていたら91歳なので、まさしく母と同じ世代です。
お母さんが生きていたら、どんなおばあちゃんになっていたのかしら…？

喪主さまの挨拶では、故人さまは90歳を超えたあたりから施設で過ごされ、最期は自分の娘も孫も分からなくなってしまわれたそうです。
そのような話はよく伺いますが、自分の親が実際にそうなったら寂しいし辛いですよね😢
歳をとってからの母を見なかったのが良かったのか、悪かったのか…自分には分かりません。
(母は真面目だったから、生きていたら説教されるだろうな😅)

そんな色々な思いでピアノを弾いていました。
今日の電子ピアノはペダルが特殊な形なので、とても踏みにくく…足元を確認していたら👀

？？？

何かいる‼️ゴキかしら？😳
でも…グレーだからゴキじゃない。クモだぁ🕷️

………💦
よく見るとそれは小さなカニでした🦀

実はこのホール、川の辺りに建っていて、元は湿地だった場所です。
水辺にの近くにはカニがよく出没するけれど…このカニ、なんて言う種類なの？😂
それにしてもカニが歩くホールって、シャレにならないじゃん🤣
ホントに驚いた😂😂😂🦀
琵琶湖にもカニはいるのでしょうね。
私が弾く『琵琶湖周航の歌』に誘われて🦀出てきちゃったのかも🫢🤣

色々あったけれど、今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏