これからの世の中を思う
昨日夜7時のNHKニュースの後、そのままテレビをつけっぱなしにしていたので、久しぶりに『クローズアップ現代』を観ました。
今回の内容は集合住宅で一人暮らししている人が亡くなったことによって起きるさまざまな問題について。
分譲マンションにお住まいの方が亡くなった後に そのまま滞納されている管理費、引き取り手がいない遺品整理についての問題などが取り上げられていました。
我家は以前、分譲マンションに住んでいた時に管理組合の組長をしたことがあります。
組長は持ち回りで、管理会社がサポートしてくれたので難なく役目を終えることができましたが、もし自分たちが この番組に出てくるようなマンションの状況だったら…と考えました。
でも、これは集合住宅に限ったことではなく、戸建て住宅でも普通にあり得ることなのですよね…。
戸建て住宅の場合は管理費などは発生しませんが、一人暮らしの人が知らない間に自宅で亡くなっているということだってあるのです。
かつては家族の人数も多く、親戚付き合いや地域の繋がりもありましたが、最近はそれらが希薄になってきました。
以前読んだ養老孟司さんの『壁シリーズ』のどれかに、昔は人と人との繋がりがあったけれど、これからは繋がりのない個々の世界、つまり砂粒のような社会になる…とありました。
今から10年以上前に読んだ本に書かれていたことです。
その時は現実味を帯びてなかったけれど、現在はまさにその状況なのだなぁと思いました。
人はさまざまな繋がりを持っています。
それが《社会》というもの。
人の一番小さな社会は家庭で、その延長線上に親戚付き合いや地域社会があり、そのほか世代別(例えば学校)の繋がりがあります。
収入を得るために労働するとなると仕事上の付き合いがあって、趣味などで繋がることも。
しかしネットの普及と働き方改革、それに加えてコロナ禍により、人と人との繋がりはますます希薄になりました。
養老孟司さんが指摘された社会の変化は、今まさに現実となっています。
家族の在り方も昔とずいぶん変わりました。
三世代同居は少なくなり、核家族または片親世帯、一人暮らしも増加しています。
《とらひめ市》の広報誌を見ると、人口は減っているのに世帯数だけが増えている…。
そう言う我家も同じ状況です。
一人娘は30歳を過ぎましたが、結婚する気配はなく1人で暮らすようになったので、世帯数は1つ増えたけれど人数は変わっていません。
ある時、娘が突然「私はやっぱり結婚した方がいいのかな〜」と言い出しました(相手はいないけど😅)。
その理由を訊くと、病院では身元引受人がいない患者さんは とても困るのだそう。
我家では私や夫の親戚との付き合いは殆どないので、私たち夫婦がいなくなったら、娘は本当に ひとりぼっちになってしまいます。
でも…身元引受人を得るために結婚するの?
それは相手の人生も一緒に背負うってことだよね?(古いかしら?🤣)
娘が担当した患者さんで、本当に身寄りがない女性がいました。
その方は病気になられた前か後かは分かりませんが、民間の身元保証サービスを契約していたそうです。
自立した品格のある方で、精力的に病気治療を受けていたそうですが…最期は せん妄が現れて、亡くなられました。
その事があってから、娘は結婚の話をしなくなりました。
おそらく、その患者さんの最後を見取って、頼れる身内がいなくても準備さえできていれば大丈夫と思えたのでしょう。
でも、自分がこれからどうなるのか、誰にも分かりません。
確実に分かっているのは、いつか必ず命が尽きるということだけです。
自立した老後を迎えたいけれど、最後は必ず誰かの手を借りなければならないし…
いつかのための準備を、いつ、どのようにすべきかは難しい問題ですね。
私の場合、一番悩ましいのは家の問題です。
いずれ私はこの家に1人で住むことになるでしょう。
今は家や庭、畑の管理は夫のチカラを借りて何とかしていますが、1人になったらとても無理だろうなぁ…と思うのです。
外仕事は屈むことが多いため、常に膝や腰が痛いですし…
今よりもう少し歳を取ったら、畑は半分くらいは作れるだろうけど、残りは草を生やしたまま放置するかもしれません。
フェンスにたくさん植えてあるバラは管理できないだろうから、79歳になったらバラは全て処分するつもりでいます。
とにかく、家(建物)に関しては娘に負担をかけたくありません。
私が実家仕舞いをした時の経験からすると、余分なモノは持つべきではないと思います。
これから欲しいのは素敵な思い出であって、モノではないのだから…何かを買う時には 良く考えないと😅
持ち数を減らして、捨て方に困るようなモノは買わないのが鉄則ですね。
私は買物好きなので、上手くいきませんが💦
我家は戸建て住宅なので、クローズアップ現代で取り上げられた『遺品部屋』のようなことにはなりませんが、この家自体が丸ごと『遺品家屋』になるのでしょうか。
う〜ん…せめて娘には迷惑をかけたくない。
私は来年、還暦を迎えます。
何時、何があっても後に残る娘が困らないように、少しずつ準備しようと思いました。
『備えあれば憂いなし』と言いますし。
でも…終わりばかりを見つめて生きるのはツマラナイですよね〜。
もちろん準備は大切ですが、《今》を楽しみたいです。
《今》の旬は…里芋‼️
野菜作りに勤しめる《今》を大切にして、来るべき《仕舞いの時》に備えたいです。
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