いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

好みは人それぞれ

今日はセレモニーのお仕事がありました。
故人さまは80代半ばの男性です。



さて、今回はのリクエストは…


「スーダラ節」/ハナ肇とクレイジーキャッツ
「早春賦」/中田章
「ノクターン」/ショパン   以上3曲です。


演奏依頼があった時、事務所の方が「なんともジャンルがバラバラなんですが…」と言われた通り、3曲とも全く趣が違いますね😳
パッと見た感じ、「スーダラ節」は故人さまがお好きだったのかしら?
「早春賦」は(もし健在でいらっしゃるなら)奥さまの好み?
そして「ノクターン」は娘さまがお好きなのかな?
…と思いつつ準備。


「スーダラ節」は昭和初期に大ヒットしました。
歌ったのはハナ肇とクレージーキャッツですが、植木等が爆発的な人気者となったのは この歌がきっかけだったと言われています。



スーダラ節


この「スーダラ節」がヒットした後、『スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ』という映画も制作されました。
どちらもサラリーマン・コメディー的な内容で、1980年代にCMで使われたり、1990年代にはリメイクされたりしているようです。
飲み会で人気の曲だったイメージですが…葬儀で演奏するのは ちょっと迷ってしまいます😅
リクエストとあらば演奏しないわけにはいかないですが💦



「早春賦」はこの時期にぴったりの有名な日本歌曲。
作曲したのは中田喜直の父、中田章です。



早春賦(NHK東京放送児童合唱団)


私が高校生だった頃、この曲は教科書に載っていましたし、歌の発表会でも よく歌われていました。
また、音大の入学試験では課題曲の1つとなっていました。
息子さんの中田喜直は「夏の思い出」や「小さい秋みつけた」の作曲者として有名です。



ショパンの「ノクターン」は葬儀でクラシックのリクエストでは定番曲。



Maurizio Pollini plays Chopin Nocturne no. 8 op. 27 no. 2


ノクターンとは日本語で夜想曲。
夜想曲とは夜に演奏する曲という意味で、セレナードとも言われます。
ショパンは全部で21曲のノクターンを作曲していて、これは その2曲目。
フィギュアスケートの浅田真央さんが この曲で演技したこともあって、大変有名になりました。
「ノクターン」と言われれば、たぶん この曲で間違いないでしょう。



それにしても…ジャンルがバラバラの これらの曲を、どのように組み立てていったら良いものか?🤔
式前に担当さんと話して、とりあえず喪主さまご一家に伺ってみることにしました。


娘さんのお話では、「スーダラ節」が故人さまの十八番だったそうです。
喪主さまの挨拶時には「スーダラ節」はやめてほしいと言われました…😅
通常、誰かがスピーチする時には歌詞のない曲を演奏しますので、それは大丈夫。


演奏する楽譜を準備していたところへ娘さまが来られ、
「すみません、無理なお願いをして…。スーダラ節というリクエストって、あまりないですよね?」と言われました。
そうですね、初めてです😂


故人さまは明るいお人柄で、人気者でいらしたのだそう。
でも…その明るさの陰には、色々な苦労があったのだろうと、息子さまは喪主挨拶でお話されていました。
そうですよね、表面は明るく振る舞っても、人の知らないところで涙したことがあったのかもしれません…



お別れのシーン、お花入れの時は「早春賦」と「ノクターン」の間に「スーダラ節」を挟み、出棺では再び「スーダラ節」を演奏し、明るく故人さまをお送りしました😊
今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏


余談になりますが…
先日、美容院へ行った時、美容師さんと この仕事の話になりました。
「自分の葬儀の時、好きな曲を流してもらえるのって良いですね〜」
本当にその通りで、流れる音楽で式の雰囲気は驚くほど変わるのです。
好きな曲を流したい場合、生演奏が入らない時はCDを持ち込むことができますので…ご自分の遺影を事前に撮影するように、その場に流れる曲のリストを作られるのもステキですね✨


私の場合は どうしようかな?🤔
好きな曲はたくさんあるけれど、私の葬儀を取り仕切ってくれるであろう娘が好きな曲で送ってもらおうかしら?
そうしたら…娘の好きなゲーム音楽になってしまうかもしれないですね🤣
やっぱり私も自分の葬儀用に曲を考えておこうと思います。