なんちゃってJAZZ🙇♀️
今日はセレモニーの お仕事がありました。
当初 演奏予定だったピアニストができなくなったので、私が代わりを務めます。
特にリクエストはないと聞いていましたが、一昨日になって事務所から電話があり…ジャズを演奏してほしいのだそう😅
あまり お葬式でリクエスト頂くことは ありませんが、ごくたまに ご希望される方がいらっしゃるジャズ。
ジャズはアメリカの黒人コミュニティーで発祥した、西アフリカにルーツを持つ音楽です。
クラシック音楽である西洋音楽は 規則的な音階やリズム、音楽形式を持ちますが、ジャズは それらに囚われない自由な音楽。
それゆえに西洋音楽を崩壊させるもの、と言われることもありました。
つまり私たちが学んだ音楽とは対極の位置にあるので、セレモニーピアニストの多くはジャズのリクエストを受けたがりません。
私も同じで、ジャズには あまり馴染みがありませんでしたが、大学4年の頃にガーシュインの『Summer Time』を聞いて、ジャズに興味を持ちました。
そこでジャズ好きの義兄からジャズのレコードを借りて聴いてみることに。
私が声楽を専門にしていたからか?義兄が貸してくれたのは女性ジャズシンガーのビリー・ホリディーとヘレン・メリルのレコードでした。
ビリー・ホリディーは自分には ちょっと古すぎましたが💦
ヘレン・メリルは大好きになり、飽きることなく何度も聞きました。
ひと口にジャズといってもジャンルは さまざまで、ジャズオリジナルの名曲の他に演『ジャズ風』という演奏形態もあります。
故人さまはジャズが お好きだったそうですが、どんな曲を聞いていらしたのかしら?
そのあたりは不明だったので、とりあえずスタンダード・ジャズの代表曲やクラシックのジャズアレンジなどを用意しました。
そのラインナップは…
「What's new」
「When I fall in love」
「Take five」
「Over the Rainbow」
「Fly me to the Moon」
「遠き山に日は落ちて(交響曲『新世界より』/ドヴォルザーク)〜ジャズアレンジ」etc…
このように書くと、私がジャズを難なく演奏するかのように思われるかもしれませんが…
即興的にアドリブ演奏は苦手ですから、ジャズ風にアレンジした楽譜を頼りに弾くしかありません😅
「Over the Rainbow」は映画『オズの魔法使い』の主題歌です。
以前、やはりジャズのリクエストを頂いた時に、偶然ジャズアレンジの楽譜を見つけました。
オリジナル曲ももちろん良いですが、ジャズ風にすると一層シャレた感じになります。
今では私のレパートリーとなり、《いつものアレ》に加わりました。
この曲を弾いていると、「高級なバーにいる気分になる」とスタッフさんが言ってくれます😂
「Fly me to the Moon」はジャズのスタンダードナンバー。
同名の映画の主題歌ですが、その他にも竹宮恵子さんのマンガに使われたり、アニメ『エヴァンゲリオン』のエンディング曲になったりと、世代を超えて人気の曲です。
テンポが少し速い曲なので、お式では少しゆったり目に演奏しました。
ピアノという楽器はヨーロッパで生まれ、流れるように演奏されることが多いものですが、ジャズピアノは響きよりリズム重視。
どちらかというと打楽器的な奏法の方が効果的です。
ですが私はクラシック音楽を勉強してきたので、ペダルを多用するせいか、メロディックな弾き方になってしまう…
ジャズを良く知っている方には「こんなモンじゃない!」と怒られそうです💧
でも、リクエストは基本断れませんし😅限りなくジャズに近付けるように演奏するしかありません。
まさに『なんちゃってジャズ』ですが…それっぽく聞こえたかしら?
今日の故人さまは80代半ばの男性でした。
音楽好きの お祖父さまの影響か、お孫さんの1人は音楽の道に進まれたそうです。
式の前後には お孫さんによるピアノとトランペットの演奏がありました。
愛する ご家族に送られて、故人さまは静かに旅立って行かれました。
今日も無事に お見送りできて感謝です🙏


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