消えてしまうかもしれない歌
今日はセレモニーの お仕事がありました。
故人さまは90代を迎えたばかりの男性です。
今回は初めからリクエストがありました。
そのラインナップとは…
「琵琶湖周航の歌」/小口太郎 作詞、吉田千秋 作曲
「われは海の子」/文部省唱歌 以上2曲です。
「琵琶湖周航の歌」は以前、急遽その場で演奏を依頼されたことがありました。
この曲についての説明はコチラの記事を ご覧下さい🙇♀️
『われは海の子」は有名な文部省唱歌。
私は これを聞くと、亡くなった父を思い出します。
父の少年時代は、まさしく「われは海の子」の歌詞そのものでした。
う〜ん…今日のテーマは『海』ですね🌊
そのイメージで会場入りし、司会さんと打ち合わせると…故人さまの趣味はカラオケで、中でも お気に入りだったのは軍歌だそうです。
軍歌⁉️😳
それを先に言ってくれれば楽譜を持って来たのに…
私が子どもの頃、かつて軍国少年だった父は よく軍歌を歌っていたので、少しは分かります。
でも歌詞とメロディーは浮かんでくるのですが、題名までは分かりません💧
演奏前にスマホで検索し、演奏できそうなのは『異国の丘』『同期の櫻』『戦友』くらい?
とりあえず 出だしの歌詞をメモって…記憶を辿って耳コピで弾きます😅
故人さまは戦時中に お生まれになり、厳しい戦後の時代を生き抜いて来られたそうです。
ご遺族は、海が好きだった故人さまのために これらの曲を ご希望なさったのですね。
亡くなった私の父のイメージと重なるところもあって、心を込めて演奏させていただきました。
今日も無事に お見送りできて感謝です🙏
演奏を終わって…以前はリクエストいただくことの多かった軍歌や文部省唱歌ですが、演奏機会が めっきり減ってしまったことに気付きました。
今回、演奏依頼の電話をかけて来てくれた事務所の方も、「琵琶湖周航の歌」を知りませんでしたし…
今年は戦後80年の節目の年。
軍歌も、それを歌っていた方々が亡くなれば、消えてしまうものかもしれません。
もちろん戦争の歌が歌われない世の中であって欲しい。
音楽は時間芸術で…今聞こえている音は、時とともに消えてしまうもの。
歌っている人が居なくなれば、その歌も一緒に消えてなくなってしまうのかもしれません。
楽譜が残っていれば再現はできますが…
そう思うと、大きな時の流れを感じたのでした。


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