いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

思い出に寄り添う音楽

今日は引き続き、セレモニーの お仕事がありました。
故人さまは40代半ばの男性。
ヨーロッパ駐在中、飛行機で移動されている時に突然倒れられ、そのまま機内で お亡くなりになったそうです。
そのような事情から ご遺体の到着が遅れ、初めは昨年末だった お式の予定が延期されて今日になりました。



昨日リクエストを4曲いただきましたが、1曲は楽譜が手に入らなかったので、3曲のみ演奏致します。
そのラインナップとは…


Something just like this / Cold play
See You Again ft.Charlie Puth / Wiz Khalifa
「365日」/ Mr.Children



The Chainsmokers & Coldplay - Something Just Like This (Lyric)


これはアメリカのエレクトロニックデュオ、ザ・チェインスモーカーズとイギリスのロックバンド、コールドプレイの共同作だそうです。
故人さまがヨーロッパ駐在中に、喪主である奥さまと一緒にコールドプレイのライブで聞かれた思い出の曲ということでした。
私はエレクトリックサウンドやロックは全く分からないのですが💦
YouTubeで聞き、楽譜を頼りに何とか演奏しました。
最近はメロディーラインがハッキリと表に出ない曲が流行りなのかもしれません。




Wiz Khalifa - See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack


映画『ワイルド・スピード/スカイ・ミッション』のエンディング曲。
映画の収録中に事故死した俳優ポール・ウォーカーのために作られたそうです。
ジャンルとしてはヒップホップに分類され、途中にラップというリズミカルな言葉だけの部分があり、そこを どう演奏するかが悩みどころ。
とりあえず楽譜の通り、ラップ箇所はコードだけにします。


練習している時、何だか聞いたことがあるな…と思いました。
そういえば去年か一昨年、学生が この曲を弾きたいと言って持って来たっけ。
自分より40歳近く若い学生を相手にしていると、こんな時に役立つことがあります😅




Mr.Children「365日」Mr.Children TOUR POPSAURUS 2012


Mr.Childrenは1990年代後半から2000年代にかけて活躍したアーティストです。
この曲は彼らの代表作で、大切な人への深い愛情が歌われることから、結婚ソングとして人気がありました。
故人さまが結婚の際 奥さまに贈られた思い出の曲だそうです。


今回のリクエストの中で、実は この曲に一番苦労しました。
奥さまにとって思い入れのある曲ですから、失敗は許されないのですが…この時代の曲は 音が思わぬ所に飛んだりするので、音の読みが難しいのです。
しかも この時期、私は全く流行りの音楽を聞いていませんでした。


同時期に活躍したアーティストはスピッツ、浜崎あゆみ、B'z、GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、宇多田ヒカル、ゆず、コブクロ、平井堅、EXILE…
名前は知っていましたが、自分から積極的に音楽を聞かなかったのは、当時そのような気持ちになれなかったからです。
その頃の私は結婚と同時に母を亡くし、モラハラ気味の夫とワンオペ育児で手一杯。
恋愛についての内容の歌には共感できなかったからかもしれません。
自分の心が閉じていた時代だったのかも。



私にとって音楽はとても大切で、他の人と一緒に心を通わせる素晴らしいものですが…
本当に心が病んでいたり、閉じている時、人は音楽を聞けないと思うのです。
実際、私も本当に心が疲れていると、音を耳にしたくなくて、無音の状態の中にいますから…


Mr.Childrenも、同時代の他のアーティストも素晴らしい曲は たくさんありますが、私は それらに触れることがなくて…その時代は自分にとって『音楽の空白期間』なのでした。
私の中に ぽっかり空いた穴のような時代の音楽を埋めるためにも、精一杯 演奏させていただきます。



人の命というのは分からないもので…突然のお別れに、奥さまは ずっと涙してらっしゃいましたが、きちんと故人さまを見送られ、最後の ご挨拶も本当にご立派でした。
たくさんの ご友人や お仕事仲間の方々に見送られ、故人さまは静かに旅立っていかれました。
今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏