いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

サービスを享受する時

今日は昨日に引き続いてセレモニーの お仕事がありました。
会場は 少し遠く、車での移動が長くなります。
豊かな田園風景が広がっている所で、金色の稲穂が風に揺れていました。



今回の お式ではリクエストがあります。
それも かなり曲数が多くて…9曲😅
通常リクエストは3曲までとなっているのですが、昨日の昼頃に急遽連絡があったので、『恋するフォーチュンクッキー』の後に またしてもピアノと格闘することになりました。


さて、今回のリクエストは…


※「別れの曲」「ノクターン」/ショパン
「遠き山に日は落ちて」〜交響曲『新世界より』第2楽章/ドヴォルザーク
※「夕焼け小焼け」※「紅葉」「浜千鳥」「シャボン玉」/童謡唱歌
「早春賦」/中田章 作曲
「浜辺の歌」/成田為三 作曲


この中で※の曲は必ず演奏してもらいたくて、その他は できればお願いしたいということでした。
全て今まで演奏したことはありますが、お久しぶりな物もあって💦
曲のラインナップを見ると、何だか音楽の教科書的な感じが多いのかな?🤔



ここで葬儀の内情を少し お話しますと…
通常、お葬式の規模は祭壇の大きさによって決まり、ある一定のランク以上になると生演奏や司会がサービスとして入ります。
生演奏の ご希望の曲は、基本的に楽譜が用意できるものであれば全て演奏。
その他に式中に流す曲のリストがあり、そこから曲目を選んでいただくこともあります。


今回は そのリストの中から選ばれたようですが、3曲に止まらず 次々と追加されたそうでした。
にしても9曲のリクエストとは…今まで受けたことがないんですけど💧
会場入りすると顔見知りの担当さんが申し訳なさそうにしていました😂


今回の故人さまは80代半ばの男性。
プロの司会さんは入らないランクなので、担当さんが司会を兼ねます。
どちらかというと家族葬に近いのかもしれません。
故人さまの ひ孫さん?2〜3歳の お子さんが大騒ぎで葬儀ホールの中を走り回っています。


このリクエストをされたのは どなたなのだろう?🤔と思いつつ、楽譜を準備して演奏開始。
ピアノを弾いていても、お子さんたちは大騒ぎ。
この場ではBGMなので、誰かが聞いていてもいなくても気にしませんが…でもリクエストいただいた曲を弾いていても、これでは分かってもらえないんじゃないの?


いつもの お客さまなら、リクエストした曲をジッと聞いていたり、お式の後に わざわざお礼を言って下さるのですが…誰も聞いていないし。
これって演奏する意味があるのかなぁと思いましたが、お仕事ですし、自分の仕事に妥協したくないので、ひたすら弾き続けました。


結局、どなたが どんな理由でリクエストされたのか分からないまま、お式は終了。
お別れのシーンは、必ず演奏して欲しいと言われた曲でまとめたのですが、いつもに比べてアッサリと終わってしまいました。



お仕事が終わった後、もう一度今日の お式を振り返ってみたのですが…
おそらく喪家の方たちは、「葬儀とは こうあるべき」といった形に囚われていたのかもしれません。
誰でも曲名を知っているクラシック、童謡・唱歌をリクエストしなければならないと思ったのかしら?
そして生演奏が入るということだから、アレもコレもと盛りだくさんのリクエストをしたのだろうなぁ…サービスだから、できるだけ多くの曲を弾いてもらおうと。


そう思ったら、以前スーパーで会計後に買ったものを袋詰めするコーナーで、ある ご婦人が備え付けのビニール袋(ロールタイプ)をガラガラ回して何枚も取り、自分のカゴの中に入れて持ち帰って行ったのを思い出しました。
また、一緒に旅行した知人は備え付けのアメニティーを「サービスだから」と言って、片端から持って帰っていました。
一見、それらは節約のための行動のように見えますが、何だか浅ましい感じがするなぁと思って興醒めしたのです。
(しかも、そういう人に限って お金は貯まっていなかった気がする😅)


最近よく言われるカスハラ(カスタマーハラスメント)は極端な例ですが、サービスを受ける側に品位があれば、そんな事は起きないだろうなぁと思いました。
私の場合はちょっと違うかもしれませんが…
演奏する身としては、多少なりとも耳を傾けて頂きたかったかも。
サービスだから、タダだから、と思われるかもしれませんが、それなりに誠意を持って演奏しているわけですから。



私は大きな会社の取締役さんや、大学病院の教授先生のお式で演奏することもあります。
喪家の方々はハイソサエティーなのですけど💦演奏している私に深々と頭を下げられる…
全くもって恐縮してしまうのですが😅そういった人はホンモノだなぁと 思うのです。


サービスを受ける時の態度で、その人の『お里が知れる』のではないかしら?
(『お里が知れる』って死語ですかね🤣)


たとえ自分が客の立場であったとしても、それが受けるべきサービスだとしても、それを提供してくれる相手にはリスペクトの気持ちを持って接したい。
そんな風に私は思っています。


今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏