いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

昭和歌謡〜演歌の歌姫たち

今日はセレモニーの お仕事がありました。
今回は特定のリクエスト曲ではなく、アーティストの指定だけです。
そのアーティストは…美空ひばり、都はるみ、石川さゆり。
懐かしの昭和歌謡〜演歌編といったところでしょうか。



私たちから上の世代の方では、知らない人はいない昭和の大スター美空ひばり。
今まで多くの方の葬儀でリクエストをいただいて来ました。
代表曲は あまりにも多くて、何を選ぶかが難しいのですけれど…
「王将」「悲しい酒」「みだれ髪」「愛燦燦」「川の流れのように」にしようと思います。
この中で今回初めて演奏させていただくのは「みだれ髪」



みだれ髪 美空ひばり


数日前、たまたまテレビで この曲がレコーディングされた時の特番を観ました。
今さらながら、すごい歌唱力だなぁと思い…ピアノでも弾いてみたくなったのです。
この曲は多くの歌手がカバーしていますが、やはりオリジナルに勝るものはないですね。




都はるみも昭和を生きた世代の方にとっては お馴染みの歌手。
歌唱力は もちろん素晴らしく、独特の唸りが特徴的でした。
やはり彼女も多くの代表曲があり、今日は その中から「アンコ椿は恋の花」「涙の連絡船」「北の宿から」をセレクトします。
私が最も好きな曲は「北の宿から」



都はるみ / 北の宿から(歌詩付きフル) Harumi Miyako / Kita no yado kara


ヒットしたのは1975年で、作詞は阿久悠、作曲は小林亜星のこの曲は、日本レコード大賞を受賞しました。
小林亜星は『寺内貫太郎一家』のイメージが強いのですが、本業は作曲家だったのです。
『科学忍者隊ガッチャマン』のテーマも彼の作品(曲のイメージは全く違いますけど💦)。
「北の宿から」は とてもステキなピアノのアレンジ譜を持っているので、心を込めて演奏します😊




石川さゆりは世代を超えて人気がある歌手です。
代表曲は「津軽海峡冬景色」「能登半島」「天城越え」などで、今日は一番人気の「津軽海峡冬景色」を演奏しようと思います。



津軽海峡 . 冬景色 / つがるかいきょう・ふゆげしき - 石川さゆり


今日の故人さまは80代後半の女性。
40代の時に ご主人に先立たれ、働きながら2人のお子さんを育て上げられたそうです。
これら昭和歌謡の歌姫たちが歌う演歌に励まされて、日々暮らしてこられたのでしょう。


司会さんと相談して、棺への お花入れでは「愛燦燦」「北の宿から」「津軽海峡冬景色」で、出棺は「川の流れのように」。
その他の曲は お客さまを迎えるシーンで《いつものアレ》に織り交ぜて演奏します。
愛するご家族に見守られて、静かに旅立って行かれました🍀



昭和歌謡の多くはプロのクリエイターによって作られ、プロダクションによって戦略的に売り出されていったものです。
1曲がヒットすると その息は長く、年単位でヒットが続くこともありました。
でもシンガーソングライターが登場してからは、曲の移り変わりが早くなってしまったように思います。


テレビが娯楽の中心だった頃は、皆んなでヒット曲を『共有』できましたが、ネット社会となってからは 個々が好きな音楽を聴くので、同じ音楽を聴いて皆んなで盛り上がることは あまりありません。
今、どんな曲が流行っているのか?私は全く知らなくて…学生が弾きたいという曲を見て、流行りを知ります😅


私は時々、土曜日の夜7時にBS朝日で放送される『人生歌がある』という番組を見ます。
番組で流れる昭和歌謡を聴くたびに、私たちの世代は このようにしてヒット曲を共有できますが、今の世代がシニアになったら どうでしょうか。
たぶん《その時代を代表する歌》というのは存在しないかもしれません。
何だか寂しい気がします😔



私は この仕事を始めて5年目になります。
初めの頃は昭和歌謡の大御所といった歌手のリクエストが多かったのですが、最近は めっきり減ってしまいました。
石原裕次郎や美空ひばりが亡くなって30年以上が過ぎ、それらの人たちの歌を聴いていた世代の方々も少なくなっています。
「川の流れのように」で お見送りすることは、これからますます減っていくのかもしれません。
時代と共に音楽も移り変わっていくものですが…良い曲は 後の世まで残ってほしいなぁと思います。


今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏