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クラシック音楽〜名曲編

今日はセレモニーの お仕事がありました。
今回のリクエストは、クラシック音楽における名曲揃いで、おそらく誰もが知っているであろう有名な物ばかり。
さて、そのリクエストとは…


組曲『惑星』より「木星」/グスターヴ・ホルスト
「カノン」/ヨハン・パッヘルベル
「アヴェ・マリア」/J.S.バッハ & シャルル・グノー
以上3曲です。



組曲『惑星』はイギリスの作曲家ホルストによって作られた、比較的新しい時代の作品。
確か…以前、この曲についてブログで書いたことがありました🤔



組曲『惑星』の第4曲「木星(ジュピター)」は特に吹奏楽をしている人たちに人気です。
曲の構成は3部形式という形で、第2部のメロディーは 平原綾香が歌って大ヒットした「ジュピター」のオリジナル。



06 組曲(惑星)より(木星ジュピター)


この動画では冒頭から約3分の所からのところが その第2部にあたります。
原曲は3拍子ですが、平原綾香の歌った「ジュピター」は これを4拍子にアレンジ。
ホルストの「木星」に歌詞を付けて歌うというのは彼女のアイデアだったということです。



【平原綾香】「Jupiter」MVフルVer.


リクエストいただいたのは今回が初めてですが、私も大好きな曲なので、《いつものアレ》としてセレモニーでは必ず弾いています。
ピアノにアレンジされると 少しスケールは小さくなってしまうけれど…ステキな曲ですよね✨



「カノン」は曲の題名のようになっていますが、実は曲の形式を表す名称。
この形式で書かれた曲は「カノン」と名乗ることになっているので、多くの作曲家が「カノン」を書いています。
中でもドイツの作曲家パッヘルベルの書いた「カノン」は、その代名詞ともなっているほど有名ですね。



Canon In D | Pachelbel's Canon | 1 Hour Version


パッヘルベルの活躍した時代は、音楽史ではバロックと呼ばれ、彼はバッハより少し前の世代でした。
この時代の音楽は、複数のメロディーが組み合う多声音楽という様式。
「カノン」とは1つのメロディーの旋律を他の声部で、厳格に模倣しながら追いかけてゆく技法で…要するに《追いかけっこ》のような音楽です。
「パッヘルベルのカノン」が人気になったのは 割と最近のことで、この曲を合唱用に編曲した「遠い日の歌」も有名ですね。



遠い日の歌



「アヴェ・マリア」も色々な作曲家が書いています。
このマリアとはイエス・キリストの母マリア様のことで、「アヴェ・マリア」は直訳すると「こんにちは、マリアさま」という意味。
「アヴェ・マリア」はマリア様に祈りを捧げる曲なのです。


今回の「アヴェ・マリア」の作曲者はバッハ&グノーとなっていますが…その成り立ちから2人の作曲家の名前が並びます。
もともと この曲は、バッハが書いた平均律クラヴィーア曲集の第1曲目、「プレリュード(前奏曲)」でした。



【癒し,作業用BGM】J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」 J.S.Bach The Well-Tempered Clavier Book1 SHUMPEI演奏


これはピアノによる演奏ですが、この曲が書かれた時はまだピアノという楽器が登場していなかったので、ピアノの前身であるハープシコードやチェンバロ、オルガンによって演奏されています。


この美しいコードのアルペジオに、フランスの作曲家グノーはメロディーを付けて、「アヴェ・マリア」は生まれました。
(グノーはバッハより200年後に活躍したフランスの作曲家)



Ave Maria (Bach/Gounod) ( Jackie with lyrics )


実は…この曲は私の歌のレパートリーで、何度も歌ったものでした。
私の声質はウィーン少年合唱団に似ている感じだったので、オペラより こういった曲が得意だったのです。


今回のリクエストで最も苦労したのが この曲。
ピアノの部分はバッハによる完璧な作品で、メロディーと一緒に弾くには無理があります。
弾き歌いならば問題ないのですが、全てのパートをピアノで演奏することはできません。
ピアノの音を省けば何とかなるかも?しかし それでは曲を作ったバッハに失礼です。
でもメロディーは きちんと聞かせなければならないし…
悩みに悩んで、イントロはオリジナルのままにし、メロディーが入ってからの伴奏部分は 少し自分でアレンジして音を減らしました(バッハ先生、ごめんなさい🙇‍♀️)。



今回の故人さまは60代後半の女性。
刺繍などの手仕事が得意でいらしたそうで、会場には故人さまの作品が所狭しと飾られていました。
故人さまも ご家族も音楽関係の方ではなかったですが、おそらく お葬式という厳かな場を考えてクラシックの名曲をリクエストなさったのだと思います。


ただ、ここで少し問題になったのは…葬儀が仏式だったことでした。
古いクラシック音楽は ヨーロッパのキリスト教を土台として発展して来たので、特にバロック時代の音楽は宗教色が強くなります。
リクエストとは言え、仏教の お式で「アヴェ・マリア」を演奏して良いかどうか…
そこで担当さんと相談し、お寺さまが席を外している場面で演奏することにしました。
故人さまとの お別れのシーン…棺への花入れでリクエスト3曲を演奏します。


まだ お若い故人さまでしたが、愛する ご家族に見守られ、静かに旅立って行かれました。
今日も無事にお見送りできて感謝でした🙏