いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

方言と地元愛

私は生まれてから ずっと今の街に住んでいます。
ここを離れたのは大学に通っていた4年間だけ。
地元が好きか?と訊ねられれば、好きだと答えますが…それは他の場所を知らないから😅
でも、他の地域から移り住んで来た人は 往々にして、我が街に好意的ではありません。
それは昔から工場の街で労働者が多かったのと、海側は漁師が多いので荒っぽいから。
若い頃の夫は《とらひめ市》が嫌いでした。


それなので、娘を育てる時は標準語で会話するように心がけていたのですが…
幼稚園に通うようになった娘は、教えもしなかったのに遠州弁を話すようになりました。


「それ、やっちゃいかんだに〜」(「それは、してはいけないんだよ」の意)


初めて娘の口から遠州弁特有の語尾「〜だら?」「〜だに」という言葉を聞いた時はビックリ😳
どうも娘が当時よく遊んでいた子たちの家は 三世代同居が多く…おじいちゃん、おばあちゃんが話す『ナチュラル遠州弁』を聞いて育ったようです。
標準語に直そうか?と思いましたが、地元で育ててもらっているのだし、友だちとの関係もあるでしょうから そのまま放置😅


その後、娘は小中学校、高校、大学と全て地元の学校に通って、ここで就職しました。
当然 遠州弁にも磨きがかかり(?)、今では立派な『遠州弁ユーザー』です。


学生時代、他の地域から来た友だちに「田舎くさい」とか「言葉が汚い」と さんざん言われたようですが
「ここに住んでいるんだから遠州弁を話して何が悪い?
それより他から来た人が遠州弁を使えばいいだよ」と開き直る始末😂



そんな娘ですが、就職して間もない頃、彼女の遠州弁が役に立つ機会が やって来ました。
病院の患者さんは殆どが地元の お年寄りです。
お年寄りは当然、ガチの『遠州弁ユーザー』で、先生相手に自分の症状を説明するのですが…先生の多くは地元の方ではないので 言葉が分かりません💧
そこで娘の出番です。


🧑‍⚕️「おばあちゃんが『おおぼったい』って言うんだけど、それって どういう意味?」
👩「『おおぼったい』っていうのは『重だるい』ってことですヨ」


意味不明な遠州弁の単語を通訳できるので重宝がられたようです。
また、患者さんは娘が遠州弁で やり取りできるので、親しみがわくようでした。
言葉って不思議なものですね😊


ところで遠州弁ですが…名古屋弁や関西弁のように顕著ではなく、イントネーションが少し違ったり 物の呼び名が少し変わるくらいです。
物の名前でちょっと変わっているのは…


「せんひき」→定規📏
「ぽんぽん」→原チャリ🛵
「てんこちょ」→てっぺん⛰️


私自身も『遠州弁ユーザー』なので、コレという遠州弁が どれなのか分かりません。
そこでYouTubeを検索してみたら…地元出身の鈴木砂羽と長澤まさみの遠州弁対談の動画が上がっていました。




長澤まさみ&鈴木砂羽「遠州弁対談」


最初の2分は標準語ですが、その後は遠州弁バリバリ〜🤣
いや〜…こうして改めて聞いてみると、かなり汚い言葉ですね😂
イントネーションというより、語尾が特徴的なんだなぁと再確認しました。
ブログを遠州弁で書こうかと思いましたが…微妙な語尾は伝えにくいし、ちょっとムリですね💦



この地域は東海道にあるので、関東にも関西にもアクセス抜群。
スズキやホンダ、ヤマハなどの大企業は ここが発祥の地なので人の流れも激しく、外から移り住んで来た人も多いです。
時代の流れもありますが、住む人が変わるのと同じように、街並みも昔とは変わってしまいました。


幼い頃、母に連れられて行ったデパートは軒並み閉店。
ここに〇〇があったはずだけど?と思って街を歩いても、昔を思い出す物には なかなか出会えません。
でも、今の世は便利ですね。。。YouTubeには昔の駅前の画像が上がっていたのです。


あ、ここは お母さんと言った生地屋さん。
幼稚園の時、鼓笛隊でパレードした商店街…懐かしいなぁ🥲


母が亡くなり、父も亡くなって、姉は意思疎通ができない状態になり…
夫は地元人出身ではないし、娘は生まれてなかったし…
懐かしい《あの頃》を共有できる人がいなくなってしまった私なので、しばしYouTubeを観てタイムスリップを楽しんだのでした。


そんな動画ばかり観ていたら、地元の遺構や史跡、軽便鉄道跡などもオススメ表示され…
今日は夫がいなかったこともあって、次から次へと観てしまい😂
あまりYouTubeを観ない私ですが、いいもんだな〜と思ったのでした。


今さらながら、自分は こんなに地元を愛していたのかとビックリです。
おそらく それはもう2度と戻れない過去への郷愁のようなものなのでしょうけれど…
地元に生まれ育った父母が 晩年に郷土史を学んでいたように、私も この地を学び直そうかしら?


私が心惹かれるのは、大自然と古き時代、それから そこに生きた人々の暮らしです。
どこかへ旅行するのも好きですが、自分が暮らす この地について、私は案外知らないんじゃないかしら?



今月、私は還暦を迎えます。
還暦は生まれ直しの年。
新たな気持ちになって、自分が生まれた この地を勉強し直そうかしら。
まだまだ知らなかったことに たくさん出会えそうな予感。
まずは身近な旧跡を少しずつ巡ってみようかな?と思ったのでした😊