歌〜私の意識の変化
今日もまた…マニアックな内容になってしまいますが😅
音楽ネタですので、興味のない方は読み飛ばして下さいませ🙇♀️
私は小学校で素晴らしい音楽の先生に出会い、その先生のようになりたいと思って音楽を志すようになりました。
目指す進路は国公立大学の教育学部。
そこで音楽を専攻すれば、音楽科教諭の教員免許を得ることができます。
入学試験にはピアノの他に声楽の試験があったので、高校入学と同時に歌を習い始めました。
ところが…高校になってから勉強をサボったので国立大は無理かも?となり…志望先を音楽大学の教育学科に変更😅
そのうちに やっぱり演奏を勉強したいと思い始め…師匠に相談すると、ピアノでは あまり良い大学へは行けないだろうと言うのです。
おそらく師匠は私の指の運動能力の限界を見抜いていたのでしょう。
ピアノは無理でしたが、声は良く出たので声楽科へ進むことになりました。
その頃は受験のために音楽大学の先生の元へ通うのが当たり前の時代。
私も高校2年から東京に住む大学の先生のところへレッスンに通いました。
今思えば…普通のサラリーマン家庭だった我家には大変な経済的負担だったと思いますが💧両親は その費用を捻出してくれました。
私の《持ち声》は透明で高音が良く響く、ソプラノ・レジェッロという部類。
高い声は得意でしたが、オペラ『魔笛』の夜の女王で有名なコロラトゥーラ・ソプラノほどの力強さはなくて😅
(でも最後に出演した演奏会では歌っちゃったけど)
あまりオペラ向きとは言えませんでした。
声楽家という人種は目立ちたがり屋で派手好き。
プライドが高くて、自己顕示欲丸出しの人ばかりです。
確かに…オペラの主役を獲得するとなると、他の人間は皆んなライバルですから、仲間を蹴落としてでも上に這い上がろうとするエネルギーがないと やっていけません。
そんな声楽家仲間は、事あるごとに「発声が悪い」と言って相手を詰ったものでした。
通常、歌声の音色は その人の声帯の形によって決まってきます。
それに加えて身体つきというか骨格も声に影響するもの。
私の声帯は短くて薄く、胸板も薄くて(まぁ胸も小さかったですが🤣)…
声楽家仲間に「あなたの声はウィーン少年合唱団にソックリね」と嫌味ばかり言われていました。
声楽を勉強してきたので、歌うとなるとクラシカルな発声法になります。
授業で歌う時は それでも良いのですが、カラオケをクラシックな発声で歌うと 何だか変で…😅
私が就職したばかりの頃は、昭和の『飲みニケーション』時代。
飲み会で上司とデュエットさせられる時は、どんな風に歌えば良いのか分かりませんでした😂
普通、クラシックで歌う時は喉の奥にある軟口蓋を大きく開け、頭から声を出すようなイメージで声を出します。
ホールの隅々にまで声を響かせるために、自分自身の体を共鳴させる。
それがクラシックの正しい発声法だと信じて疑わなかったのですが…
ある時、坂本龍一の音楽を聴いていると、アイドル歌手のような歌声が使われていたのです。
それはジャンルとしてはクラシック…ポストクラシカルなのかもしれませんが、なぜ(オペラとまではいきませんが)声楽の歌声を使わないのだろう?と思いました。
坂本龍一はYMOで活動していたこともあったから、ポップス調の歌声を自分の音楽に取り入れたのかも?
でも それは、この曲に限るのだろうなと…その時は思ったのです。
しばらくして、岩代太郎の音楽を聴いていた時…やはりポップス調の歌声が取り入れられていました。
どうやら この流れは『今の時代のクラシック音楽』においては、普通のことのようです。
従来のクラシカルな発声法の声の豊かな響きではなく、どこか無機質な感じ。
今の時代の作曲家は、こういった音色の声を求めているのかもしれません。
先日、私がオススメしたマックス・リヒターの音楽にも、話し声や地声が音楽として使われています。
かつて私たち声楽家は、発声にこだわってきたのだけれど…今はもう それに固執する必要はないのかもしれません。
もちろん、今でもオペラや歌曲を歌うならば、良い発声が求められます。
だけど…発声ばかりに こだわってきた私は、歌う楽しさを味わって来なかったのかも。
本当の音楽は、楽しくあるべきもののはずなのに。
ということで、還暦を超えて今さら…って感じですが💦
音楽は楽しくあるものだ‼️と思うようになりました。
歌は私にとって修行のようなものでしたが😂
歌いたい曲を思うように歌おうと…どんな発声でも、楽しければ構わないですよね❣️
時にカラオケでフィーバーしたり、学生と一緒に『鬼のパンツ』を振り付きで歌うことも、(たまに)真面目にドイツ歌曲を口ずさむのも、全て私が楽しくあろうと思っています🤣
自由に演奏できるのは、歌でもピアノでも本当に楽しい✨
それを今、満喫しています😊
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