いつもゴキゲンでいたいから…

自分らしくあるために。ジャンルを問わず、今日を書き留めていきます。

私とドイツ音楽

とらひめ

今日はちょっとマニアックな内容ですので😅

興味のない方は読み飛ばして下さいませ🙇‍♀️


私が音楽大学で歌を勉強していた頃…声楽の世界はオペラを中心とするイタリア系と、歌曲を主なジャンルとするドイツ系に分かれていました。

どちらかというと華やかなイタリア系が圧倒的人気で、地味なドイツ系は少数派という構図。

自分の師事している先生が どちらの系統に属するかによって、勉強する分野が決まってきます。

その頃、音楽の世界は徒弟関係が厳しかったので、自分が好きなジャンルは選べず…

師匠が専門とする分野を学ぶのが当然というのが暗黙の了解でした。


私は最初イタリア系の先生に習っていたのですが、大学2年の時に師弟関係を拗らせてしまい、門下を出ることに(破門みたいなもんです)😅

その後、師事した先生はドイツ歌曲の大家でした。


ずっとイタリア音楽ばかりやってきた自分は、ドイツ歌曲について全く無知で…💧

まずは言葉から勉強し直さなければならず、大学の他にHeidelbergというドイツ語の専門学校へ通いました(お金が大変だったな〜💰)。


華やかで煌びやかなイタリアオペラと違って、ドイツ歌曲は自然の美を歌ったり内省的な世界です。

初めは退屈だなぁ…と思っていましたが、次第にドイツ音楽の素晴らしさにハマり、ドイツへの留学を夢見るようになりました。


結局その願いは叶えられませんでしたが…ドイツ歌曲は今でも私にとって特別なもの。

私のピアノ部屋には大好きなシューマンと その妻クララの銅版画がかかっています。



ドイツ歌曲といえばシューベルトですが、私が最初に師匠から頂いたのはシューマンの曲でした。

シューベルトはリート(ドイツ歌曲のこと)の真髄なので、私にはまだ歌わせられないと師匠は思ったのかもしれません。

それにシューベルトの曲には(歌詞の内容から)女性が歌えるものが少なかったのです。

シューマンのリートを初めて歌った時、その音楽の美しさにウットリ。

これぞ、まさに私の音楽だ!と思いました。


この銅版画は、毎年ドイツへ歌の勉強へ行く師匠に頼んで買ってきてもらったものです。

私にとっては お守りみたいなものですね✨


先日、ブロガーさんからシューベルトとシューマンの曲のリクエストをいただきました。

久しく真面目にドイツ音楽に真面目に向き合っていない私ですが😅

いただいたリクエストには、できる限り お応えしたい…と思って、久しぶりに楽譜を取り出しました。




いただいたリクエストは、シューベルトのセレナードです。

これは彼の歌曲集『白鳥の歌』の第4曲目。


シューベルトの歌曲集といえば『冬の旅』や『美しき水車小屋の娘』が有名です。

この2つはシューベルト自らが曲を選んで曲集としたのですが、『白鳥の歌』はシューベルトの死後、彼の友人たちによってまとめられました。

ヨーロッパには「白鳥は死ぬ間際に美しい声で鳴く」という言い伝えがあることから、これらの歌曲集は そのように呼ばれるのだそうです。



セレナード/シューベルト


セレナードは過去に高校音楽の教科書に載っていた大変有名な曲。

元が歌曲なため、歌(メロディー)とピアノ伴奏を全て弾くには少し無理があり、あまり上手く演奏できませんでした。スミマセン🙇‍♀️



知らない国々/シューマン


「知らない国々」は、シューマンが作曲したピアノ曲集『子どもの情景』の第1曲目。

この曲集の5曲目『トロイメライ』は特に有名です。

子ども用の曲集で、易しそうに見えますが…美しく弾くのは なかなか難しくて😅

こちらも不出来な演奏で申し訳ありません💦


クラシック音楽は『完全なる美』の世界。

若かった頃は自分の内面が未熟で、年齢を経た今は技術面が劣化する…

自分の求める『美』と かけ離れた実力に悲しくなってしまいます。



ずっとドイツ音楽を勉強してきましたが、以前にも お話したように、私はドイツへ行ったことがありません。

これは私の中で大きなコンプレックスになっています。


大学卒業を間近に控えた2月、ドイツへ歌の勉強に行く師匠に同行する話がありました。

でも その時は、教育委員会から内定をもらっていて、勤務先決定の連絡待ちをしていたために行けなかったのです(お金も ありませんでしたし😅)。

就職して、お金が貯まったらドイツへ行こうと思っていましたが…

仕事は忙しく、母の入院と死、自分の結婚と出産などでドイツ行きは おろか、歌の勉強もままならず💧


夫の退職に合わせてドイツへ行こうとしたらコロナ禍。

今は行こうと思えば行けるのかもしれないけれど、ドイツ音楽への情熱も失われてしまいました。。。



ドイツにいるゲーム友だちにシューマンの話をしたことがあります。

彼らは私より少し年上なので、ドイツ音楽にも造詣が深いと思っていたのですが…堅苦しくて古臭いと感じるようで、興味を示しませんでした。


かつてドイツ行きの師匠に同行した友だちは、「長い歴史と文化に育まれたドイツ歌曲を、遠く離れたアジアで学ぶことの意義と その難しさについて考えた」と言っていました。

私も あの時、ドイツに行っていたら…同じことを考えたのかしら?

ひょっとしたら、その時スパッと音楽をやめてしまったかもしれません。

行ったことがないからこそ、ドイツ音楽は ずっと理想の中に生き続けているのかも。



今となっては数ある音楽ジャンルの1つに過ぎなくなってしまったクラシック。

その在り方は、昔と随分変わってしまいました。

歴史は動いているから…仕方ないですね。


……と、ゴチャゴチャ言ってきましたが😅

私にとってクラシック音楽は 追いかけても、追いかけても たどり着けない『完全なる美』の世界。

最近は追いかけるのに すっかり疲れてしまいましたぁ😂


だから?今の私はクラシック音楽を避けているのかもしれません。

不出来な自分と向き合うのは 辛いですよね…


でも、たまには演奏しなくっちゃ‼️と思ったのでした。

(毎度まとまりがなくてスミマセン🙇‍♀️)